サワードウってなに?

サワードウ(サワー種)は、小麦粉やライ麦粉と水だけで起こす事の出来るとてもシンプルな天然酵母の一種です。

パンの歴史は人類が金属を生み出したのよりも古く、一説には紀元前10000年ぐらいまで遡る事が出来ると言われています。サワードウ(サワー種)は、天然酵母と乳酸菌を主体に複数の微生物を共培養させた、最も古い手法によって作られるパン種の一つです。このサワードウを用いて作られるパン、サワードウブレッドは、乳酸菌が発酵の過程で生み出す、乳酸による酸味と風味が特徴です。

サワードウに含まれる酵母と乳酸菌の種類や比率は、その土地の気温や湿度、標高などの環境によって変化します。そのため、サワードウブレッドと言っても、出来上がるパンの風味は土地によって変化します。また、何年も同じサワードウを培養し続けて使っていると、その過程でも作り手ごとに菌類の種類や比率に差が生じてきます。結果として、出来上がるパンはそれぞれに、個性的な風味をもつ事になります。

サワードウの酵母が生まれるまで

1. 小麦粉の約70%、ライ麦粉の約60%はデンプンが含まれています。そのデンプンが水と接触すると、穀物自身が持つ酵素アミラーゼの働きによって、デンプンは分解され麦芽糖などの糖類が生まれます。

2. 穀物の表面や空気中に存在する乳酸菌は、麦芽糖を栄養源とし、ブドウ糖(グルコース)やフルクトースといった糖類を生成します。

3. ブドウ糖(グルコース)やフルクトースなどを栄養源に、酵母は成長、増殖していきます。

4. これら1~3の発酵の過程で、二酸化炭素も同時に生成されて、これがパン生地を膨らませる働きをします。