サワードウで作るカボチャパンのレシピ


もう10月ですが、いつまでもダラダラと暑い日が続いています。それでも、季節はちゃんと移っているようで、スーパーに並ぶ野菜にも少しずつ変化が見られます。もうすぐハロウィンですし、今回はカボチャを使って、パンを焼いてみようと思います。せっかくなので、見た目も少し工夫を凝らして、カボチャみたいな感じにしてみようと思います。

 

【ステップ 1】 – カボチャのペーストを作る

まず、カボチャパンを作る為に生地に混ぜるペーストを作ります。カボチャはワタを取ってしまえば、繊維が細かいですし、蒸してミキサーにかければ良いかと思います。茹でると少し水っぽくなりますし、電子レンジは嫌いなので(というか電子レンジ自体自宅にありません)、蒸し一択です。

材料:

  • カボチャ 100g

1.カボチャのワタを取って、3~5cm角ぐらいに切って、皮を剥き蒸籠にならべます。10~15分程度蒸して、竹串がスッと刺さればOKです。

2. 滑らかなペースト状になるまでミキサーにかけます。

カボチャの分量ですが、蒸し上がった状態というのは結構水分量が多いのではないかと思います。いつも、小麦粉と水を混ぜている感覚と比べると、少なくとも50%以上は水分だろうと思います。パンを作る際に大体いつも、強力粉:混ぜ物=4:1ぐらいになっていれば失敗せずパンは膨らむと思っているので、50g以内のカボチャ(水分含まずの状態)であればOKだろうと考えました。なので、今回は使うカボチャペーストは100gという事でやってみたいと思います。


【ステップ 2】 – パン生地の生成

カボチャパンを作るのに、いくつか生地の生成方法があるかと思います。強力粉とパウダー状のカボチャフレークを使用する、もしくは、強力粉のみを使って生地を先に生成しておいて、そこにカボチャペーストを混ぜていくというやり方。今回は、始めにカボチャペーストも合わせて混ぜて生地を生成する方法でやってみました。混ぜた後のストレッチ&フォールドなどは、基本のサワードウブレッドのレシピとほとんど変わらない方法で焼いています。

材料:

  • 強力粉 (キタノカオリ) 200g
  • カボチャペースト 100g
  • スターター (強力粉) 60g
  • 水 120cc
  • 塩 4g
  • ナツメグ、シナモン 各少々

水とカボチャペースト、スターター、塩を混ぜる

1. 水の分量ですが、今回混ぜるカボチャペーストが、100gの内半分の50gは水分だろうという想定でやっているので、いつもサワードウ・ブレッドを焼く時の170ccから50ccを引いた分量の水を使います。

水120ccに塩4gをよく溶かします。そこにカボチャペースト100gを入れてよくかき混ぜて溶かします。オレンジ色の綺麗な水になります。この時カボチャのペーストに大きな粒が残っていれば、手でしっかり潰しておいてください。次に、スターター60gを入れてよく混ぜて溶かします。水、塩、カボチャペースト、スターターがしっかりと混ざったら、強力粉200gを加えます。スクレーパーを使い、始めはボールの底から粉と水を返すようにざっくりと混ぜていきます。ある程度混ざれば、今度は手を使って、全体が一まとまりになるようにまとめます。

2. ボールにラップをかけて室温で30分から1時間放置します。捏ねてグルテンを生成するのではなく、時間をおく事でグルテンを生成します。

ストレッチ&フォールド

3. 1回目のストレッチ&フォールド。読んで字の如く、伸ばして折り畳むという感じです。丸くまとまっている生地を大体6~8回円形状に伸ばしては折り畳むという作業を繰り返します。捏ねるのではなく、優しく伸ばして折り畳む。これがポイントです。

4. ボールにラップをかけて室温で1~2時間放置します。

5. 2回目のストレッチ&フォールドです。少しずつ生地が膨らんできているので、その膨らみを出来るだけ潰さないように、1回目の時より優しく伸ばして折り畳みます。今度は大体4~6回ぐらい伸ばしては折り畳むという作業を繰り返します。

6. ボールにラップをかけて室温で2~3時間放置します。

生地を成形する

7. スクレーパーを使いながら、生地を優しくボールから粉をひいた台の上に移します。軽く四角く薄く伸ばし、上下左右で計4回ほど折り畳み軽く成形をして、30~60分ほど生地を休ませます。

8. 最後に4回ほど伸ばして折り畳むという作業を繰り返し、生地の表面を張らせ、形を楕円状に整えます。生地の表面に粉を振って、布をひいたバネトンバスケット(円形のバスケットまたはボールなど)に入れます。(粉を振った生地の表面がバスケットの底に来るようにひっくり返します。)

9. 最終の発酵過程です。6時間程度冷蔵庫で置いておくと2倍ぐらいまで膨らみます。指の腹で生地を軽く押してみて、生地が戻ってくるような、張りを感じればOKです。


【ステップ 3】 – パンを焼く

用意するもの:

  • ダッチオーブン (内径×深さ(mm)φ220×100)
  • 料理用凧糸
  • クッキングシート
  • カミソリ

1. オーブンにダッチオーブンを入れ250℃で予熱する。

2. 予熱が完了したら、バスケットの上から生地が8等分になるように凧糸をかけます。

3. クッキングシートの上に生地をバスケットごと返して、凧糸を結びます。

4. カミソリで表面に模様を入れます。

5. ダッチオーブンを取り出し、クッキングシートごとダッチオーブンに入れ、蓋を閉めて230℃で20分焼く。

6. ダッチオーブンの蓋を開けて、240℃で10分焼く。

7. ダッチオーブンをすぐにオーブンから外に出すと、急激な温度差でパンが萎んでしまいます。10分程度オーブンの中に置いておきます。そして、オーブンからダッチオーブンを出した後も、しばらく、パンはダッチオーブンの中に置いておきます。

8. 最後にパンの中心にシナモンスティックを刺すと、よりカボチャっぽい仕上がりになります。

 



【カボチャパンを焼くコツ】

この秋、何度かカボチャパンを焼いて、気づいた事があります。初めてカボチャパンを焼いた時ですが、焼き立てでオーブンから出した時は、とても良い感じでした。しっかり膨らんで、クープもバリっと割れてエッジも立っていました。しかし、しばらくしてオーブンから出して、パンの温度が下がると、プシューと膨らんでいたパンが萎んでしまいました。これはどういう現象なのでしょうか?いまいちよく分かりませんが、穀物入りのパウンドケーキを焼いた話を聞くと、焼いた直後はすごく膨らんでいるけど、時間が経つと萎んでしまうとのことでした。

そこで、上のレシピにも書きましたが、焼き上がってからしばらくはオーブンから出さずに、少しずつパンの温度を下げていくという方法をとると、パンの膨らみがキープ出来る事がわかりました。

肝心の味ですが、外側はカリッと香ばしく内側はフワフワもちもちで、カボチャの味もしっかり感じられて良い仕上がりだと思います。さらに、今回は、シナモンや、ナツメグ、といったスパイスを入れましたが、クミンやカルダモンなどを混ぜて大人なパンに仕上げても良いかもしれません。反対に蜂蜜やリンゴを混ぜて甘めに仕上げても美味しかったんじゃないかとか。アイディアが膨らみました。

是非みなさんも秋のサワードウブレッドに挑戦してみてください。

 

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