大学時代と、その後の1年をのぞいた人生の大半を、僕は同じ街で暮らしてきた。特にこだわりがあったわけでもなく、むしろ、住む場所なんてどこでも良いと思いつつも、ずっと同じ街で暮らしていた。海と山があって、小さな川が流れている。電車に乗れば梅田も三宮もあっという間に着く。全国の色々な場所から沢山のアーティスト達が訪ねてくれた。丁度どんな所からもアクセスのしやすい場所だった。そして適度に静かで。
そんな場所を今年の2月に離れて、福岡にやってきた。家の裏がすぐ山で、坂道の多い街。しばらくはバタバタして、心も落ち着かず、パンを焼く気持ちにもならなかった。サワードウブレッドってとてもシンプルで簡単なんだけど、時間がかかる。心に余裕がないとなかなかそこまで手がまわらない。
先月ぐらいからようやく、パンを作る余裕が出てきて週に1回ぐらいのペースで焼いている。ただ、引越した先のキッチンが狭くて、今度はなかなか写真を撮るモチベーションが上がらない。ピタパンをサワードウを使って焼いてみたり、クープを入れずに焼いてみたり、色々試してみた。とりあえず、色々試してみたり、またここにレシピを記していく事で、早く新しい日常のサイクルを築きたい。
目次
– ライ麦パン
ライ麦入りのパンで難しいのは、風味としてはライ麦を入れた方が美味しいのだけど、そうすると膨らみを維持するのに気を使わないといけなくなってしまうという点。ライ麦の割合が大きくなる程に膨らみにくく、食感は重くなっていく。風味を持たせつつ、さらに軽さもある仕上がりが良いなと思いつつ。
材料:
- スターター (強力粉) 40g
- スターター (ライ麦) 20g
- 強力粉 (キタノカオリ) 220g
- ライ麦粉 30g
- 水 (20℃前後) 167cc
- 塩 4g
1. ボールに水167ccを入れて、塩4gを溶かす。そこに、スターター (強力粉)とスターター (ライ麦)をそれぞれ入れて、よくかき混ぜる。全体的に白濁したかたまりがない状態になればOK。
2. 計っておいた、強力粉とライ麦粉を混ぜてから、1. に入れる。
3. 始めはスクレーパーなどを使ってざっくりと、ある程度混ざったら手を使って、一まとまりになるまで混ぜ合わせる。
4. 室温で1時間ほど置いて、全体が水和するのを待つ。
5. ストレッチ&ホールドをしてから、ボールにラップをかけて冷蔵庫へ。
6. 1時間半毎に全部で3回、ストレッチ&ホールドを行う。この季節室温が高く、生地がダレやすいので発酵は冷蔵庫で。
7. ボールから台に生地を移し、30分程度休ませる。成形してバスケットに移して再度冷蔵庫へ。
8. 冷蔵庫で低温発酵。翌朝焼く。
– クープを入れないパン
最近、インスタで見つけた、ポルトガルのMario Rolando さんというベーカリーが気になっています。独特なフォルムで、火山のマグマのようなパンを焼いています。映像を見る限り、かなり水分量が多く、凝ったデザインのクープなどは入れる事はせず、サワードウが元々持つ発酵の力で内側からパンを形作っているように見えます。その手法に早速感化されて、最近、クープを入れないパンを焼いてみています。
成形した後にバスケットに入れる際、普通は、生地を折りたたんだ面を上にしますが、この場合は、生地を折りたたんだ面がバスケットの底に来るように入れます。こうすると、焼く際には生地を折りたたんだ面が上部にきて、焼いて生地が膨らむときに、パンの表面にランダムに割れが発生します。
– ピタパン
たまに、サワードウでパン以外のものを焼いてみたくなる。パンケーキとかフォカッチャとか。今回はピタパンを。しかし、これがなかなか上手く行かず、研究は継続中。
材料:
- スターター (ライ麦) 60g
- 強力粉 (キタノカオリ) 240g
- 水 (20℃前後) 90cc
- オリーブオイル 10cc
- 塩 7g
- 砂糖 10g
発酵時間は、普通のサワードウブレッドを作る時よりは必要ないみたい。薄く均一に伸ばすのがポイントのよう。家庭用のオーブンだと、どうしても一度に焼く枚数が限られてしまうので、まずは上記の半分量ぐらいで試してみるのが良いかも。それと、次回は生地にヨーグルトを入れてみようかと思っている。
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